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ゲームログ: スナイパーの脅威 [サバゲレポート]

 


数年前 某日
埼玉県深谷市
サバイバルゲームフィールド 花園「コードセブン」

『アルデンヌ』森林フィールド



_DSC0344_R.JPG

あのとき俺は、お客さん4人ほどと組んで
相手フラッグへの道を切り拓く最中で、
電動ガンを持った正面の相手数人と交戦中であった

こちらが優勢で、あと一押しで道が拓ける

誰もが正面に集中していた


 


地形的にも正面に対してはこちらが有利で、
障害物もしっかりしているエリアであったが、

途中、お客さんの一人が
「アレッ!?・・・ヒット」 と不可解なコールで退場

やられた状況はわからない
ヒットコールをした人間は情報を吐いてはならないのがルールだ

もっとも、そのお客さんは辺りをキョロキョロ見回しながら退場、
自分の死因はわかっていないようであった


_DSC0352_R.JPG

その方がいた位置取りは
我々よりも2mほど後方、木板のバリケードの後ろ

射撃音を確認した人は誰もいない

正面以外から多くの弾が飛んできた事実も確認されてない


「・・・スナイパーいますね」

お客さんの一人が息を潜めて言った

俺も同意した


角度からして右正面、
ブッシュ(=茂み)の状況からして40m以内に入られている 

我々が生きてる以上は、まだ浅い角度には入られていない
右方には散らばり気味ではあるが、味方もいる

が、憂慮すべきは我々が前進したあとのことだ


正面の相手は崩れつつあったが、
時間は15分のうち10分を過ぎ、味方の戦力はジリ貧

戦力を温存しつつ前に出ていくつかのバリケや木を経由しつつ、
約50m先のフラッグを狙いたいところであるが、

森林フィールドの50mは非常に長い

足元はヤブに覆われており機動力は低下、
目視できる距離も銃の射程の平均も低下し、
ブッシュの中には今見えるよりも恐らく多くの相手が潜んでいる

しかもこの先は比較的開けており、位置を特定できないまま
うっかりスナイパーの射界に入ってしまえば全滅の危険もある


我々は困り果ててつつも
ナアナアに正面の相手との撃ち合いを続けていた

フィールド内では敵味方の電動ガンの駆動音が常に聞こえていて、
スナイパーライフルの小さな発砲音を拾うのはほぼ不可能

正確な位置の特定は困難だ


俺はスナイパーがそのうちボロをだして
動いてくれることを祈りつつ、

制圧射撃のためヒザ立ちの状態で銃を構え、
バリケの右から銃と片目だけ出すように右前方に向けた次の瞬間


耳元を通って後方に抜けるか細い風切り音
そして背後で枝が折れる音


俺は上半身の動きで慌ててバリケに引っ込み、苦笑


「ダメ? やっぱスナイパー?」

お客さんからの問いかけに

『見えないッス・・・』と情けない返答


その後も撃ち合いに合わせるように散発的な狙撃が続き、
我々は動けないまま、結局制限時間いっぱいで引き分け終了

戦力を集中させられたら
イケるかも知れない戦局だったが、ダメだった

まぁ撃ち合いいっぱいできたから楽しかったね

なんてことを話しつつ近くの一同と
バリケードから立ち上がったそのとき、

右前方からガサゴソと歩いてくる影 


大自然の一部だろうか

緑色の藻を全身に纏ったような姿の異形のゲーマー
手にはボルトアクション式のスナイパーライフル

ギ・・・ ギリースーツスナイパー

全身本物の草まみれになっており、相当ホフクした様子が伺える


「いや 一人しかとれなかったッスね・・・」

とモジャモジャから垣間見えるゴーグルの、
その奥の目がうつむき気味に笑う


ちなみに距離は概ね30m
想定よりも遥かに近く、
味方が押さえていると誰もが思っていたラインから出てきた

本人はもう完全にうつ伏せの超低姿勢、
超低速ホフクの隠密行動によって

10分以上かかってこのラインに辿り着き、
偶然我々への射線が際どいながらも通っていたので

こちらの味方の撃った弾が
頭の上を通り過ぎるくらいの位置から

葉と葉、枝と枝の間を通すように狙撃を行っていたという

「結果一人しかとれなかったんで
 ぼくの存在意義がわからなくなってきました」

と笑いながら話していたが、
ハッキリ言ってこちらは足止めされて大損害であった

5人はそんな話で爆笑しながらフィールドを出た



_DSC0431_R.JPG
画像はイメージであり、全て当時のものではない 撮影:ササハラ



END
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