装備品紹介２： ベトナム戦争期の米陸軍装備 パーツ編２「ジャングルファティーグ」について [装備]
～前回までのあらすじ～
M1ヘルメットでオシャレに決めちゃおう！（女児用玩具のCMのノリで）
今日のオシャレアイテムは
緑色のダボダボパジャマ！「ジャングルファティーグ」だよ！
今日のアイテムにはどんな秘密が隠されてるのかな？？
おじさんといっしょにみにいこう！（女児用玩具のCMのノリで）
というわけで全国の軍装品ファンの女児（おっさん）の諸君
マニアックな話はいろんなブログに書いてあるので、
ここでは主にナム装備初心者向けの話を書いておこう
これからやる人の役に立てればいいが。
・ジャングルファティーグ
「TCU」とも呼ばれる、
60年代から80年代前半くらいまで使用された戦闘服だ
どっちかっていうと多分「TCU」が正式名称なんだが、
装備品界隈では上記の通り、
「ジャングルファティーグ」という呼称や、
「ファティーグ」と略称で呼ばれることが多い
「fatigue」っていうのは概ね「作業着」って意味だ
ちなみに「TCU」とは、
「トロピカル・コンバット・ユニフォーム」の略で、
南国気分の戦闘服という意味だ 嘘だ。
なんかトロピカルドムとかそんな感じ。
熱帯用のってことだな
歴代米軍の戦闘服の中では飛びぬけてダボダボで、
構造的な通気性と着心地自体はいいが、よく枝とかに引っかかる
コットンの生地は汗でベタつくし
最悪の南国気分が味わえるというわけだ
このジャングルファティーグは生産時期によって仕様が違い、
少なくとも日本では大きく４種類に分けられる
装備品を組む前にあらかじめ年代を指定しておかなければ
俺は戦闘服すら選ぶことが出来なかったのだ
というわけでまず見極めるポイントは生地だ
俺のファティーグは破れにくいように網目状に生地を強化した、
「リップストップ」仕様になっており、
「最終型」とか「4th」として扱われる
これよりも前のものは
全て網目のない「ノンリップ」仕様となっており、
「1st」から「3rd」まではボタンやバックヨークの有無など、
服のパーツで識別される
ちなみに後期になればなるほど、
この戦闘服はどんどん簡略化されていく
米軍のお財布事情と関係があるのかは謎だが、
長引く戦争による疲弊を示した要素でもあるのかな・・・
と勝手に想像している 実際はわからん
俺が買った当時一番安く、手に入りやすかったのは
「4th」だったので俺は迷わずそれを買った
ナム装備は基本的に後期になればなるほど手に入りやすく、
そして安い
俺が「68年くらい」という時代設定にしたのにはそういう理由もある
服の形を見て年代を判別するのに敷居の高さを感じる人は、
「納入コード」のついたタグを確認しよう
タグは服の裏に隠れているぞ
このタグには服に関する軽いインストラクションのほか、
「何年の予算で納入しました」っていうコードが書いてある
つまり年代特定が一発で可能だ
こういうコードは物品の管理のために
時代を問わず書いてあるので、
「納入実績があるアイテム」かどうかを判別するのにも使える
実戦に使われたかどうかはまた別の話で、
お蔵入りになったデッドストックも大量に存在する
というわけでこの服には
DSA 100-69-J-2592
と書いてあった
2592ってのはロットナンバーか何かで、
これを見るだけで1stから4thまでおおまかに特定する人もいる
俺は4thだけがほしかったのでその辺は勉強不足だ
このコード内の69っていう数字の通り、
こいつは69年の予算で納入されたものだ
68年辺りっていう
俺の設定からすると完璧にドンピシャではないが、
使用されているものは時期的に同じなので
これでいいということになる
ちなみにファティーグは上下セットで売ってることはほとんどない
始めての方が選ぶ際は上記のようなことに気をつけて、
よくよくチェックしながら買えば、
「思ってたのと違う！」という事例は避けやすいぞ
ちなみに上下で微妙に色味が違うくらいはフツーだが、
気になる人は慎重に選ぼう
これはセットで販売してる場合でもたまに起こる
そうそう、ちなみに服屋に行くと、
たまに実物の装備品がファッションのために
加工されて売られたりしているが、
それを見て悲鳴を上げたりしてはいけない
昔は本当にたくさんあって安かったのだ
（中田商店の軒先に1本1000円とかで
使用済みM72A1とかが刺さってたって話がある）
―――
M1956個人装具の話もしようと思ったが、
無駄に長くするのもアレなので今日はこの辺にしておこう
つづく
たまたまの通りすがりのものですが、ファテイーグのラベルの写真、レプリカですね。
念のためお知らせしておきます。
by ポム (2019-02-12 23:57)