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装備品紹介2: ベトナム戦争期の米陸軍装備 パーツ編3「M1956個人装具」について [装備]

 

前回までのあらすじ~
被るものと着るものが揃った


今日は腰周りの紹介だ

この辺からややこしくなってくるが、
時代の選び方によっちゃ簡単にできる

これから始める方の近道になればいいが。


 


俺の装備は人前に立って
見世物にするための装備だったため、

如何にズルく、そして安く、カッコよく、
そして可能な限り矛盾なく組み上げることを念頭においている

作った当時の記憶がだいぶおぼろげだけどな


コスプレ装備界隈の敷居の高さを示す現象として、
いろいろ面倒な噂が伝え聞かれるが、
俺は幸いそういった現象に遭遇したことはない

みんな優しいのもそうだろうが、
俺の装備は少なくともサバゲレベルでは
問題なかったのだと解釈している


ただ、俺の装備は
欲を言えばもうちょっと盛りたいと感じるくらいには、
基本中の基本的な装備しかついていない

逆に言えば、最も近道的な装備だといえるので、
まぁナム装備をこれから始める方の参考にはなるかな・・・

と思う






・M1956個人装具

_DSC0289_R.JPG

特徴的なコットンの装具類だ

特にポーチの配置は
90年代まで続く装備品そのままとなっており、
使い勝手自体は実はかなり近代的である

「1968年辺り」というチョイスで進めてきた俺の装備品は、
コットンの装備品としては末期のポーチ配置となっており、
矛盾を生むことなく、安く済ませることが可能だ

70年代に入ると
装具は全てナイロンのM1967装備に更新されていくし、
これよりも前の装備(ベトナム戦争前半の装備)では
貴重で高価な装備がいくらか混じってくるので上級者向けだ

個別に見ていこう






・M1956ピストルベルト

ハトメの穴を使って装備品を固定したり
サスペンダーをつけたりする、昔ながらのピストルベルトだ

ポーチ類は90年代以降の米軍装備のほか、
自衛隊では現在でも使われている、
_DSC0322_R.JPGこんなようなやつだ

「アリスクリップ」とも呼ばれる金具を使用して固定する

このピストルベルトには実は2タイプがあり、
俺が使っているタイプのほかに、

前止めの金具が平型になっている、
初期型の「デイビスタイプ」と呼ばれるものがある

俺は「デイビスタイプ」を使ってる実物画像を
実は見たことがない(或いは存在に気付いてない)んだが、

恐らくこちらを選ぶとポーチ類の選定が
修羅の道と化すのではと想像している

ちなみに例えばだが、
俺が今からド初期のナム装備をやるとなった場合、
このベルトやポーチ類だけでなく、
ファティーグの形式や靴も変わるので、
ヘルメットを除き、ほぼ全身が別物と化す

特別こだわりがなければ
とりあえず後期型を選んでおけば問題はないということだ






・サスペンダー

腰周りの負担を軽減するコットンのサスペンダーだが、
これにも時期に分けて3つが存在する

「初期型」と「後期型」、そして後期型の中でも、
裏地がナイロンになっている「最後期型」というべきものの3つだ

俺のものは「後期型」とされる型で、裏地もコットン、
ベトナム戦争中の画像ではこの「後期型」が最も多く見られる
(最後期型が混じってても裏地にしか違いがないので誰も判別できないのでは と思う)

「初期型」と「後期型」を見分けるポイントは
ベルトにひっかける金具の形だ

前期型のサスペンダーでは体前面に来る固定金具が
丸棒を加工したような形になっているが、

後期型ではプレスされたような幅広い形に変わる

背面の金具も形が変わっているが、
基本的には前を見ると判別しやすい

サスペンダーにはSMLの3つのサイズがある
一応参考だが、俺(身長175cm)はMを使っている





・M1956アムニッションポーチ

_DSC0292_R.JPG

よりにもよってボロい方を撮ってしまった
ポーチを固定するための金具がとれて壊れている
買ったときからこうなのだ

有名なコットンのマガジンポーチで、
元々はM14のマガジンを入れるためのものだった

ポーチの左右には1個ずつ手榴弾をマウントできる
つける手榴弾はM26(レモン)タイプのダミーがあるとそれっぽい


M16の20連マガジンは
このポーチには短すぎて取り出しにくいので、
実際の現場においてもマガジンの下に包帯とかを入れて
嵩増ししていたらしい

エアガンのマガジンは実物にも増してさらに短いので、
なおさらこういう工夫が必要になる


このポーチにもいくつかバリエーションがあり、俺のものは
「汎用(M16・M14共用)・後期型」という感じの扱いになる
(今回の記事のため便宜上こう呼ぶが、一般的な呼称ではない)

M1956装備の発展型である「M1961装備」に対応し、
M1961マガジンポーチともいわれるタイプで、
ベトナム戦争中最も広く使われたものだ


その他の代表的なバリエーションには

ポーチを閉じるための帯にハトメが入っており、
ポーチ内側の形を保持するためのプレートが表側にも入っており、
マガジンを抜いてもシャッキリした印象の「汎用・初期型」、

短いサイズの「M16用20連専用ポーチ」などがある
M16専用の短いポーチは1967年頃に配備が始まったらしいが、
その後すぐにナイロンに置き換わってしまうせいか、
数や使用例が少なく、高価だ

ちなみに映画「プラトーン」では
M16専用タイプの短いマガジンポーチを装備していた


まぁ、迷ったらとりあえず
汎用・後期型のポーチを選んでおけば問題なく、安く上がる、
といったところだ





・M1956キャンティーンポーチ

_DSC0293_R.JPG

コットン製の水筒ポーチだ
1クォートなので、約950ml入る

俺が装備しているものは1967年以降の後期型とされるもので、
水筒カバーの縁取りがナイロンになっている

初期型では全身コットンで、内側の保温材の素材も変わる

その他、海兵隊と、ベトナム戦争初期の陸軍では
M1943キャンティーンカバーとM1910キャンティーンという
第二次大戦と変わらない組み合わせが使用されていたらしいが、
その場合は中身の水筒が金属になり、コップまで付いてくる
(非常に高価だ!)


予備知識だが、実際の運用では
水筒にはフタを取った瞬間ちょっとこぼれそうになるくらい、
水をいっぱいに入れるのが基本であり、
チャポチャポ音をさせるのはFNG(ファッキンニューガイ/新兵)とされる

まぁサバゲではほとんど関係のない話だけどな

俺は軟弱者なのでサバゲのときは大抵空にしてあり、
「テンション」と「機運」が高まったときのみ満タンに入れる
(つまり俺の「ヤル気」を水筒で確認できる!)

2つの水筒を満タンにすると装備の重量が約2kg増すので、
ドMのゲーマーの戦闘力と腰痛リスクが上がる

実際の写真ではベルトに水筒のカバーはついてるのに、
何故か肝心の水筒が入ってないことがあるので、
慣れてきたらそうやって上手く逃げることもできる


ちなみにだが、左手側の水筒の位置には本来は

「M1956イントレンチングツールカバー
 +M1951イントレンチングツール」・・・

つまりは塹壕や陣地造成用の
エンピ(小型シャベル)をつけるんだが、

実際の写真を見ると、少なくとも中期以降は
つけているところをほとんど目にすることがない
(バックパックとかにはたまについている)

このイントレンチングツールカバーは
M7銃剣が装備できるカッコイイやつだが、
中身となるエンピを探すのが結構大変だ

サバゲでは銃剣を始めとした刃物類の装備が
制限されるシチュエーションも多いので、

困ったら水筒二つをつけておけば問題ないといったところか







・M1956フィールドパック

_DSC0294_R.jpg

ファニーパックやブットパックとも呼ばれる雑嚢だ

「バッグ」なの?「パック」なの?「バックなの?」と聞かれるが、
「PACK」って書いてあるので「パック」だ

(水陸両用MS ゴッグはゴックでも一応合ってるらしい)

何が入っていたのかは実はよく知らないんだが、
梱包材とか入れてパンパンにしておくとカッコイイぞ

ちなみにフィールドパック下部には丸めたポンチョとかを
挟んで携行している写真もたくさんあるし、

フィールドパックのサイドには
マチェット(草刈用の幅広い大型刃物)の鞘や、
銃剣をつけられるアタッチメントもある(使ってるところを見たことがない)

完成した装備をさらに盛る際にオススメだ
(度々になるが、刃物類の装備には特に注意が必要だ)


前期型はM1956フィールドパックなのに対し、
後期型はM1961フィールドパックと、別称を得る

違いは主にサイズで、M1961のほうが一回りでかいほか、
プラスチックのインナーが入っている

また、ややこしいことにこの二つにも
それぞれ前期型と後期型があり(つまり全部で4種類ある)、
名札の形や位置が違ったりしている

これらによる時期の前後が確認できなかったため、
俺は最初に手に入れたM1956フィールドパック後期型を
そのまま使っている

ちなみに俺のフィールドパックにはよりにもよって
買ったときからガッツリ血痕が付いている

コワイ!




・M1956コンパスポーチ

_DSC0296.jpg

コンパス、またはファーストエイドポーチとして扱われる、
小さなポーチだ

こいつにも前期型と後期型があり、
俺のものは「後期型」になる

初期型ではフタ部分を除いて縁取りがなくなる

コンパスを入れておくのもいいが、
俺のものには包帯を入れて
ファーストエイドポーチとして利用している

つける位置はサスペンダーの肩の部分だったり
ベルトのどこかだったりいくつもパターンがあるんだが、

俺は無線機を背負うことが多く、
無線機の背負子と干渉するときがあったので、
このポーチはベルトにつけることにしている

特に問題なければサスペンダーの肩につけると
いいアクセントになるのでオススメだ






―――



基本的な装具については以上だ

前期だの後期だのめんどくさいことが多いが、
楽に集められる組み合わせってのは必ず存在する

そういうのを上手く利用すれば、
すぐにテンプレ的装備にたどり着けるはずであり、
必要以上の出費を抑えることが可能だ


今回紹介した範囲においては、
最も基本的なパーツしかついてないので
至ってシンプルな状態になっている

ここに小物を追加したり、
首や肩から提げる装備を追加することで、
「ベトナム感」はさらに加速していく

次回はそういうアイテムを紹介していこう


どこに埋まってるのか、探すところから始めなければ。



つづく
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コメント 1

Kai

ナム戦の装備を探していましたので大変参考になりました、細かい違いもわかりやすく感謝です。
by Kai (2018-11-16 20:16) 

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