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超独善的エアガンカタログ6 東京マルイスタンダード電動ガン「M16A1 ベトナムバージョン」 [エアガン紹介]

 

~これまでのあらすじ~
初めての方はコチラ
これまで書いた記事を堆積した目次はコチラだ!


8月もすぐ終わっちまうし、
ベトナム装備の話の続きをしないとな

部屋を掘っても装備品がでてこないので
先に使用する電動ガンの話をしよう

今回紹介するのは「M16A1 ベトナムバージョン」


 

・M16A1 ベトナムバージョン

p_sub1_130305163807.jpg
(画像は東京マルイ公式から)

メーカー小売希望価格:¥29,800
実売価格:2万円台中盤~前半くらい


今回は現在絶版のフツーの「M16A1」の話もする
まぁほとんど変更点はないけどな

「M16」は1960年代前半に「M14」から順次置き換えられ、
以降現在まで50年以上米軍で使用されている、
息の長いアサルトライフルで、

ユージン・ストーナー氏の設計である
7.62mm口径の「AR-10」を5.56mm口径仕様に縮小した、
「AR-15」をほぼそのまま採用したものである

この「AR-15」という呼称は
現在は民間向けのセミオートモデル全般の名前として
用いられているということもあり、

M16系も、その他の派生モデルも全部ひっくるめて
エアガン界隈では「AR」系と呼んだりする


今回紹介するのは「M16A1」

ベトナム戦争初期に配備が始まった「M16」の改良版で、
(陸軍に先駆けて空軍や南ベトナム軍で採用されたようだ)

最も大きな変更点として、アッパーレシーバー右側面の、
「ボルトフォワードアシスト」が追加されている

_DSC0443-1.jpg
『このボタンって何?』って
よくご質問をいただいたがこれ(赤線内)のことだ

結論から言えば電動ガンにはなんの意味も無いパーツである


このボタンは1963年に陸軍にて採用が始まった、
「XM16E1」(後のM16A1)という「M16」の改良試作モデルから
追加されたもので、

これは銃が作動不良を起こしたときに押すことで、
閉鎖しきらなかったボルトを無理やり前進させて閉鎖させるものだ



「M14」で訓練を受けた後ベトナムの戦地にいった兵隊が、
当時としては明らかに奇怪で
未来的なこのライフルを支給されるうちに、

「ブラックライフル(当時のM16の渾名)は整備不要」

というような風説が広がり、さらに官給品の弾薬が
機構と合わないものであったことも重なって、

そのまま使い続けた結果陸軍全体で作動不良祭りとなり、
米軍側がまずメーカーに
この「ボルトフォワードアシスト」を追加させたという話だ

_DSC0493_R.JPG
「M16」のアッパーレシーバー(画像右)には、
このように、「ボルトフォワードアシスト」のでっぱりがない


というわけでいろいろな問題点をフィードバックしつつ、
1967年正式に支給が開始された「M16A1」では
メンテナンスキットをストックの中に収納できるようになったほか、

フレーム右側面、マガジンキャッチの周りのデザインに
誤動作防止のためのリブが入った


さらにはメンテナンスマニュアルを一新、

長ったらしい活字を読みたがらない人でも読めるように
マンガ形式に変更するなど、徹底して問題の解決に努めている

このマニュアルはかなり味わい深い内容なので
是非読んでみてほしい

「M16A1 MANUAL」とかで調べるとすぐ出てくる


その他、「M16A1」ではフラッシュハイダーが
それまで使われていた三つ又の「チューリップタイプ」から、

M16A2やM4系にも使われている、
草木にひっかかりにくい、
「バードケージ(鳥かご)タイプ」に変更された


マルイの「M16A1ベトナムバージョン」のおかげもあってか、

エアガン界隈ではベトナム戦争のM16といえば
三つ又の「チューリップハイダー」という向きがあるが、

bp11.jpg
「M16A1」支給後の60年代末の写真を漁っていると
「バードケージ(鳥かご)ハイダー」の方がむしろ多く見かける

M16A1のマニュアルのイラストも「バードケージ」仕様だしな


ではマルイの「ベトナムバージョン」のように、

「ストックエンドがラバー」でできており、
「ボルトフォワードアシスト」が追加されていながらも、

「チューリップハイダー」を装備している写真を多く見かけるのは
「XM16E1」だが、

XM16E1.jpg
そちらの場合はレシーバー右側面、
マガジンキャッチ周りのリブがなくなってツルツルの印象になる


つまり、実銃の「M16A1」も「XM16E1」とされるモデルも
マルイの「M16A1 ベトナムバージョン」とは
仕様が一致しないということになる



ではマルイがどのM16をモデルにしてこの電動ガンを作ったか
って話なんだが、

これは恐らく、映画「プラトーン」や
「フルメタルジャケット」にプロップガンとして登場した、
由緒正しきMGCのモデルガン、
「M16E1」がまさにこの仕様であり、これが一番近いといえる

「M16E1」は実在しない形式番号だが、
「XM16E1」から「M16A1」への過渡期、
という位置づけでつけられた名前とも推測できる

60年代末になっても「チューリップ」仕様と
「バードケージ」仕様は混ぜこぜで使われているようなので、
この「過渡期」に当たるモデルが実在したとしても
なんら不思議は無い


頑張って写真を探せば
60年代末にベトナムに配備された実銃の「M16A1」の中にも
マルイのような仕様のものがあるかもしれないので、

(XM16E1とされる画像の中にはマルイやMGCと同じ仕様をしたものもあったが、
 ベトナム戦争当時の画像ではないようだったので決め手にはならなかった)

一概に間違いとか大人の事情とも言えないというわけだ

事実この形で映画に出てるんだし、
映画のごっこ遊びをするにはむしろもってこいってわけだな


まぁ細かい話は疲れるからやめよう

こういった細かいことばかり言ってると友達を失くすぞ!
もっとおおらかに趣味を楽しもうではないか



そんな「M16A1」なんだが、
なんだかんだいって改良を加えながら無理して使うくらいには
とても価値のある小銃だったということだろう

採用から50年以上経った今も米軍で現役で使われており、
その設計の優秀さが伺える





・電動ガンとしての性能と使い勝手

というわけでマルイの「M16A1 ベトナムバージョン」
(長いので以下勝手に「M16A1 VN」とする!)なんだが、

基本設計は記念すべき電動ガン第1号の「FA-MAS」に続く
第2号の「M16A1」と変わっていないので、
設計としてはほとんど最古の部類となる

後発のM16A2やM4系とは
フレームやチャンバーの設計からして違い、
分解の際はテイクダウンできず、互換性もない


海外製のメタルフレームのように、
アッパーレシーバーとロアレシーバーを
ズルズルとスライドさせて分解する形式となっている

この際アッパーレシーバーをマイナスドライバー等で
広げつつ分解する必要が出る場合があり、リスキーなので
特に必要がなければ無理して分解するのはやめておいた方がいい


電動ガン「M16A1」(現在絶版)からの変更点は、
レシーバーの色がちょっと明るくなったのと、
フラッシュハイダーが「チューリップ」仕様になったこと、
そしてストック後端がラバーになったことだ

モーターは発売当初は「FA-MAS」と同様、
「EG560」という最初期のものを使用しており、
最新の「EG1000」などと比べると
連射力やトリガーレスポンスは多少劣っていたが、

2000年初頭辺りではグリップの太さを変更し、
「EG700」モーターを搭載した仕様も発売され、
アフターサポートとして換装キットも出ていたようだ
(このキットは現在は絶版らしい)

EG700仕様は現行型のEG1000モーターへの換装が可能だが、

EG560仕様はグリップの太さがそもそも違うため、
そういった新しいモーターへの換装はできない

(EG560モーターはそれ自体が太いのだ!)

中古を買う際はよく確認しよう



新品状態で付属するマガジンは
ベトナム戦争時の20連マガジンをモデルにした、
ショート仕様の190連ゼンマイ式多弾マガジン

何故かロングマガジン(68発)よりも弾数の多い、
スプリング式80連ショートマガジンも発売されている

もちろんロングマガジンのほか、
M16/M4系マガジンはマルイ純正の範囲では全て使用可能だ


バッテリーはストックに収納する仕様で、
ニッケル水素(Ni-MH)バッテリーならば
容量の大きいラージバッテリーが使用可能だ

メーカー純正ラージバッテリーは
ニカド(Ni-Cd)バッテリーの生産終了とともに絶版となっており、
メーカーでは現在ミニバッテリーの使用を推奨しているため、

新品状態ではミニバッテリー用の変換コネクターが別途付属する

フタとなるストック後端は、
カコッとスライドさせるだけで外れるため、よく失くす

そのため、ユーザーさんの中には脱落防止のため
ODのテープを貼ったり巻いたりしている方もいる

無くなるとカッコ悪いので一応注意が必要だ



サイズは1mに迫る、現在としては大柄な体格であるが、
パーツの大半が樹脂なのもあって重量は3kgに満たず、軽量である

操作性は悪いが、
数ゲームで疲労感を感じるようなことは少ないだろう


電動ガンとしての「飛ぶ・当たる」といった性能についてだが、
ほぼ設計自体は古いものでありながら、新品状態では
40mくらいまでならば普通に狙うことができる性能は持っている

もちろん、
より小型でより遠くまで飛ぶモデルも現在はザラにあるので、
性能や使い勝手で銃を選ぶといった場合は、
大型の割に平凡な性能の本機は選択肢には上がりづらい

しかし、ベトナム装備用のコスプレ道具としてみるならば、
我々を十分活躍せしめる性能といえる

(銃のせいで苦戦を強いられる装備はWWⅡ系を始めとしていっぱいあるんだ・・・)
 


俺個人としては、
「新品ではまぁ十分な性能」と位置づけている

「M16A1」は巷では剛性の低い銃とされているが、
新品状態でのこいつの剛性は評判からすると思ったより高い

(それでも全体との比較で言うとワーストクラスの弱さなのは間違いない
 ヤワな子だからあんまいじめないでくれよな!!)


しかしこいつは、
経年劣化でプラスチックのフレームが伸びてきたり、
或いは瞬間的に強い衝撃を受けることで弱点部位が損傷すると

まるで秘孔を突かれたかのごとく
グニャグニャになって命中精度が著しく低下してしまう

よって俺の認識では「剛性が低い銃」というよりは
「剛性が低下しやすい銃」という方が正しいような気がする


こいつの秘孔・・・もとい弱点は、首の継ぎ目と、
アッパーフレーム固定用の2つの突起

_DSC0486_R-1.jpg
後者はコレのことだ
とても薄く、脆いパーツだ

既に片方折れてるのがおわかりだろう

スタッフ内はこのパーツのことを
アッパーレシーバーの「耳」とか呼んでいたが、

ここが損傷するとロアレシーバーとの接合点を
1つないし2つ失うことになるので、銃の上半分が動揺、

構える際に力を掛けるたびに
銃口がグニャグニャとあちこちを向くことになってしまう


これらはM16/M4系共通の弱点であるが、
設計の古い「A1」では特に損傷しやすいので注意が必要だ


特にこの「耳」は銃をバッターーンって倒すと
運が悪ければ一発で折れるので、
もう一つの弱点である首周りに負担をかけないためにも、

立てかけて置いておくよりは、
寝かせて置いておいた方が長持ちすると思う

また、サバゲ中の転倒にも十分注意しよう
人間は無事でも銃は大ダメージを受けることがある

特にこいつの場合は非常にそれが多い


ちなみにササハラの「M16A1 VN」は
アッパーフレームの2点に加え、
首周りも完全に損傷しており、
命中精度どころか動作信頼性にまで問題が出ている

首周りを障害物の上に乗せて撃とうとするだけでなく、
構えたときにちょっと気を抜くと
柔らかくなった首周りのせいで銃口が上を向いて
給弾しなくなるのだ

必殺「ヨガマルファンクションである

この必殺技が発動したとき、俺は死ぬ。



でも弾は出ていたので、
銃がこうなってしまってから新型に乗り換えるまでの間、
この銃でフツーにゲームに参加していた

弾さえ出てれば戦える!

弾が出なくなってもフラッグ取れるし
相手の注意をひきつければそれだけで戦力さ!!!!!!

Take it easy!





・着せ替え等について

この「M16A1」「M16A1 VN」用としては、
かつて東京マルイ純正から外装カスタムパーツとして、

「M203グレネードランチャー(現在絶版)」が発売されていた

_DSC0454_R.JPG
まぁこのランチャー(自称)なんだが、まぁ見てくれ

_DSC0446_R.JPG
銃口部に謎の3つの孔が


お察しの通り、こいつはマルイショットガン

この「M203」の下部から30発入りショットシェルを挿入、
1度に3発のBB弾を10回発射可能になっている

ランチャーのハンドガードに当たる部分を
前後させることで発射できるんだが、
まぁ電動ガンとの同時使用なんてできないので

見た目優先のビジュアルアイテムとしての向きが強いアイテムだ
重量と負担も増加するしな・・・


CAW製のモスカート式「M203」ランチャーにも
一応「M16A1」に接続可能なものが出ているが、
首周りの負担を考えるとちょっと気が引ける部分もある・・


というわけで案に上がるのが金属フレーム化なんだが、
「M16A1」自体が流行り廃りでいうとかなり下火の銃なので、
なかなか険しい道のりだ

オススメは海外メーカー「G&P」の外装(現在品薄)だ
というよりそれ以外はほとんど聞いたことがない

EG700またはEG1000モーターと、
Ver2メカボックス、ホップパッキンとインナーバレルは
マルイから移植して使い、

外装とチャンバーは「G&P」のもの使う形で合体させるのだ

こうすることで
マルイにありがちな弱点はだいたいカバーできるので、
ヘビーなベトナム装備ファンはよく金属のM16A1を使っている

内装パーツとかも社外品をうまく使って
作れば次世代ともやりあえるようになるしな

まぁ今回は純正の話がメインなので
カスタムの話はほどほどにしておこう



―――


話すべきことは以上か

_DSC0444_R.JPG
思えば俺は「A1」を3丁も持っている

1丁が大破、1丁が予備でランチャー(自称)付き、
1丁がメタルフレーム仕様である

「A1」は個人的にとても「しっくりくる」ライフルなんだよな
多分世代的な問題だと思うんだけど。


電動ガンとしても、
こいつに関しては「十分な」性能を持っていると確信しているので、
「これからベトナムやるんだけどマルイは評判がなぁ・・・」

とか思ってる方も普通に選んでいいと思う

最近は「TOPの廃莢式M16A1」なんていう、
ロマンに満ち満ちた選択肢(サバゲでの性能はお察し)があるから、
一概にこれがいいとは言えないけどな


以上、紹介を終わる



END
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